カネの下の平等
今、“バブル”ブームが再燃しているらしい。
バブル芸人の平野ノラなど、1990年頃の華やかなりし時代を
再現したお笑いネタやイベントがウケているそうだ。
さぞ、バブル世代のアラフィフたちが喜んでいるだけかと思いきや
実は、当時を知らない20代、30代の間で盛り上がっているのだとか。
その背景について、きのうの毎日新聞・夕刊に出ていた。
『カネの下の平等』
当時の時代を研究するライターが、バブル時代をこのように形容している。
そして、次のような趣旨の話をしていた。
「現代は、消費社会は良くないものとされ、シンプルな暮らしが求められている。
しかし、それを突き詰めていくと、結局、勝者は『センスの良い人』であって
持って生まれたもの…例えばルックスの良さだったり、才能だったり、
恵まれた環境だったりと、どうしても『選民的』になる。
しかし、バブルの時代は、小金があれば、ブランドものを身にまとい、
イケイケに振る舞えば、誰もがバブルを楽しめる時代だった。
つまり『カネの下での平等』があった」のだと。
鋭い指摘だと思う。
バブルが崩壊後「あの時代は間違っていた、無かったことのようにしよう」と、
とかく悪く言われがちなバブルだが、決してマイナス面ばかりではなかった
ように思う。
派手で、元気で、上昇気分いっぱい、欲望を隠さず力強く生きる人たちがいた。
選民的な差別のない、自由な雰囲気が漂っていた。
何かと息苦しい現代にあって、そうしたバブルのムードに
今の若い世代が憧れる理由があるのではないだろうか。