ファミリー・トピックス

様々なニュースから、家族や恋人との話のネタになるようなものを月ー金でアップしてます

フルスイング

「高校生になったら甲子園でホームランを打つから」と母と約束した。

毎日新聞(27日・夕刊)に、きのう甲子園に出場した作新学院の相原光星選手と

4年前に乳がんで亡くなったお母さん・美穂子さん(享年48歳)との

感動的な物語が出ていた。

 

美穂子さんががんを発症したのは、光星選手が小学生の時。

その後、再発するも、病気のそぶりは見せずに

抗がん剤などの在宅治療で、3人の子どもを育てた。

そして、光星さんが中学2年の時、再入院。

余命宣告を受けるも、息子には「すぐに治るから安心して」と言った。

そして、その入院中、光星さんは母に約束した。

「高校生になったら、甲子園でホームランを打つから」

もちろん母を励ますためだ。その言葉の裏を忖度すれば

(自分は必ずお母さんを甲子園に連れていくから、それまで生きてほしい)

一方の母は、きっと笑顔で「うん、わかった」と答えたはずだ。

その言葉の裏には、

光星なら必ず行ける。だから私のことは心配しないで、野球に打ち込んでほしい)

と、言いたかったのではないだろうか。

美穂子さんは、入院して数か月後に旅立っていった。

 

記事を読んで、この母子の結びつきの強さに、驚愕せずにはいられない。

この母子は病気を無視している。いや、むしろ“無力化”しているとでも言うべきか。

がんという“死に至る病”に直面しても、母子の愛情は揺るがない。

たとえ病魔でも、2人の絆を引き裂くことはできないだと訴えているかのように

ふだん通りに振る舞っている。

並の家族なら、母ががんになったショックや家庭環境の激変で

野球どころではなくなると思うのだが

美穂子さんは最後の最後まで、病気を隠してふつうの母親のように行動した。

息子の光星さんは、ひたすら野球に打ち込んだ。

どうしてそんなことができるのか? 人間そこまで強くなれるのか?

筆者は、母と子の深い愛情ゆえの為せる技としか思えない。

 

もちろん死に別れるのは悲しくて、つらいことだ。

でも、たとえそうなっても、親子の結びつきは永遠に変わらない。

だから母が亡くなった後も、息子はブレることなく野球に取り組んだ。

そして、母と約束した、甲子園出場を見事果たしたのだ。

 光星選手は5番打者で、ホームランこそ出なかったが

8打数3安打の好成績だった。

バッターボックスではつねにフルスイングしたそうだ。

その光星選手の言葉が、記事に出ていた。

「今でも母は自分の中にいます」