不思議な役所
「文部科学省は不思議な役所である」(29日・日経新聞コラム)
文科省といえば日本の教育の要だが、
最近、何かとニュースに取り上げられることが多い
たとえば職員の天下りの問題。
省内で「外部の人間があっせんする分にはいいだろう」という独自のルールを
作り、せっせと職員を再就職させていた。
また先月の2月には、小学校の教科書に「鎖国」や「聖徳太子」という言葉を
「今後は使用しない」方針を示しておきながら、
世論や国会の激しい批判を受けると、今月になって「元に戻す」と発表した。
“教育の要”がやることとは思えない「朝令暮改」の極みである。
そして今度は、来年4月から小学校の授業課目となる『道徳』の教科書検定である。
教科書には、いろいろな物語が出てくるが、その文言に文科省はクレームをつけた。
例えば…
おじさんでは、高齢者への尊厳と感謝の念が足りないという理由だ。
さらに…
「町でパン屋を見つけた」→「町で和菓子屋を見つけた」に修正を指示
祖国や郷土文化に親しみと愛着を持つという観点からだそうだ。
そして極めつけは…
「公園のすべり台などで遊ぶ子供」→「和楽器店で楽しむ子供」に修正を指示
何処にあるんだ、和楽器店が!?…って言いたくなるが
長年の論争の末に「道徳」教育が決まったらしく、
その分、文科省も無駄に力が入ってるのかもしれない。
道徳心を養うことは大事だと思うが、
子どもたちを、ある思想をもった“型”に、はめようとしてないか
しかも、自分たちに都合の良い“不思議なルール”をつくる省庁のやることである。
どういう力学が働いてるか分からないが
我々は、文科省の施策に注視しておかないと、とんでもないことになるのではないか。