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日本アニメ100周年

日本でアニメーションが誕生して100周年だという。

アニメは、今や日本文化を代表する1つとして大きな存在になっているが

その原動力になったのが、70年代に放送された「宇宙戦艦ヤマト」だそうだ。

(きのう日経新聞・夕刊)

 

そのヤマトは、確か日曜日の夜7時台に放送されたと思うが

当時は視聴率が伸びず、全39話の予定が、26話に短縮されたことを

この記事で初めて知った。

私がヤマトを見たのは、そのあと平日の夕方に再放送された時であり

小学生だった私も、多くの友だちも見ていて

ヤマトの話題で盛り上がったのを覚えている。

 

アニメ研究家によれば、ヤマトには今までのアニメにはなかった、ある特長が

あるという。

それまでのアニメは、日本初の本格的アニメである『鉄腕アトム』をはじめ、

主人公のキャラクターを中心に発展してきた。

ところが、ヤマトには、物語の骨子のどこにも「キャラクター」が

登場しないのだそうだ。

個人にとらえきれない、『巨視的スケール』の世界観が、物語を支えている。

 

ヤマトに登場するのは、戦士たちだ。

彼らは、地球と、地球に暮らす愛する人たちを守るために、

惜しみなく命を捧げる。

その姿は、戦時中、敵艦に突っ込んでいった特攻隊員の姿とかぶる。

子どもの頃は夢中になっていて気づかなかったが、今改めて見直すと

ヤマトの乗組員たちは、1人1人の個性が無視され、お国のために命を捧げた、

かつての日本帝国軍人そのものではないか。

まあ、タイトルが「宇宙戦艦ヤマト」だから、

当然そうしたことを意識して製作されたと思うが、いま大人になって

改めて思うのは、そうしたものに熱狂した自分が、空恐ろしく思えるのだ。

 

手塚治虫は、戦前の反省から、人間の個性とヒューマニズムを描いた漫画を

世に送り出してきたが、ヤマトはその対極にある作品だと思う。

両者とも、日本のアニメ文化に果たした功績は大きいが、

不朽の名作かどうかは、後世の人たちの評価に委ねるしかないだろう。