近未来、遺影の写真が “人形”に変わる?
「遺影」とは、『故人の生前の姿をうつした写真や絵』と辞書にあるが
十数年後の未来、その定義に「人形」が加わるかもしれない。
…と言っても、ただの人形じゃない。
超ハイテク人形だ。
そう思えるぐらい、今、科学の進歩が進んでいるのだ。
ある日本の会社が、3Dプリンターを使って
故人の生前の姿を、完全に複製した人形をつくるサービスをはじめ、
「写真よりリアルで、より故人を偲ぶことができる」と人気だという。
さらに、昨日の新聞には、海外企業のディープマインド社が
「どんな人の声も、真似ることができる」という音声合成技術を
開発したというニュースが出ていた。
故人そっくりの人形に、故人そっくりの声を出すようにして
さらにAI(人工知能)を搭載し、故人の性格やしゃべり方を教えこませ
会話できるようにしたら、どうなるだろうか?
もはや故人が、まだ生きてるかのように
身近に感じることができるようになるだろう。
さて、問題は…それで、人は幸せになれるのか?
私は、十数年前に妻に先立たれたが、
もし同じような境遇の人が、再婚を考えはじめた時
遺影のAI の人形に「私を捨てる気?」と、後ろ髪を引っ張るようなことを
言われたらどうするのか?
また人によっては、再婚するより、その人形と生きて行く道を選ぶかもしれない。
故人のことを忘れて(忘れるのが無理なら、胸の奥深くにしまっておいて)
新しい一歩を踏み出すことも大事だと思う。
そういう意味では、遺影は、時間と共に色あせていく写真ぐらいが
ちょうど良いのではないか。