オシドリ夫婦の実態は?…
仲の良い夫婦のことを、よく「オシドリ夫婦」と言うが
生物学者によると、実際のオシドリのつがいは
それほど仲が良いワケではないそうだ(きのう・朝日新聞「福岡伸一の動的平衡」)
オシドリのオスは、たえずメスに寄り添って、他のオスや天敵が近づこうものなら
オスはまさに命懸けでメスを守る…
これは間違ってない。ただ、その夫婦付随の姿を見せるのは、メスが卵を産むまでで
産んだ後は、オスは卵を温めることもないし、ヒナの面倒を見ることもない。
それどころか、出産後のメスにもはや興味を示さなくなり、
他のメスを追いかけ始める。
一方、メスの方も子育てが終わると、他のオスとパートナーを組むそうだ。
まさにオシドリ夫婦は、つかの間の愛であり、
もっと極論すれば、”カラダだけの関係”とも言える。
私が子どもの頃(おそらく70年代…)、オシドリは生涯つがいで過ごし
どちらかが死ぬと、残された相方は、その亡き骸からずっと離れない…
と聞かされて、子供心に感動したものだ。
「オシドリ夫婦」というワードは、今もテレビなどでよく使われている。
この言葉がいつ頃、生まれたかは知らないが、
オシドリの実態が明らかになった以上、あまり使わない方が良いのでは
ないかと、私は思う。
やはり実態にそぐわない言葉は、歓迎できない。
まあ、オシドリのつがいの実態が広く認知されるようになれば、
「オシドリ夫婦」は 早晩、廃れていくような気もするが…