愚かな発言
もう30年前になるが、アメリカ南部の町アトランタにある
日本総領事館を取材で訪れたことがある。
プール付きの白亜の大きな家で
それは往年の『風と共に去りぬ』を彷彿させるような大豪邸である。
その家の住人である篠塚総領事が、現地紙とのインタビューで、
いわゆる “従軍慰安婦” について「売春婦だ」と発言したのだ(きのう・東京新聞)
直接「売春婦」とは言ってないようだが、記事によると
「(彼女たちは)性奴隷ではなく、強制もされていない。
家族を養うために、この仕事を選ぶ女の子がいる」と語ったそうだ。
要するに、自らの意志で身体を売ったのだから「売春婦」だと
篠塚氏は言いたかったのだろう。
どうして、そういうことを軽々に言うのか?
遠くアメリカの地で大豪邸に住んでると、心も態度も大きくなるのか
従軍慰安婦に関して、
私もいろいろな本を読んでみたが、真実のほどはわからなかった。
時代の証言者たちは高齢になるか、亡くなっていて
おそらく今となっては、本当のことは誰にも分からないのではないか。
ただ1つハッキリしているのは、先の戦争で言えば、
殴ったのは日本人で、殴られたのは韓国人だ。
だから、不用意な発言は控えるべきだ。
しかも外交官という、しかるべき立場の人が
公に慰安婦を「売春婦」などと言うのは、論外だと思う。
だから、日韓合意が締結したにもかからわず、
いまだに韓国人の怒りがおさまらないのだ。
これじゃあ、いつまで経っても東アジアの隣国と仲良くできない。