多重人格の被告
「声優アイコ」の名前を覚えているだろうか?
複数の男性に睡眠薬を飲ませ、現金150万円余りを盗んだ疑いで
神(じん)いっき被告(34)の裁判が行われているが、
その裁判が、混乱を極めているらしい(24日読売新聞・夕刊)
神被告は、性別は女性なのだが、ふだんは男性として生活していた。
また、彼女には「解離性同一性障害」いわゆる多重人格と呼ばれる精神疾患がある。
彼女の中には、本人以外に、3人の別人格のいることが分かっていて
1人が女(これが犯行に及んだ声優アイコ)、1人が男(凶暴な性格のコウジ)、
そして幼い少年(ゲンキ)の3人。
その裁判中、神被告が証言台に立つと、別の人格が現れて
「そんな甘い犯罪じゃない、もっと被害者がいる」みたいなことを言うものだから
裁判員は一体、誰の言葉を信じていいやらで、大混乱。
また、弁護側と裁判所がそれぞれ依頼した精神科医の鑑定結果も、
片や「犯行は別人格で刑事責任は問えない」と主張し
片や「犯行時、被告は犯行を理解していた。だから問える」と
真っ向から対立している。
個人的に思うのは
神被告が、重大な精神疾患を抱えていることは明らかなのだから
裁判所は、罪の是非を問うよりも
どうしたら神被告が再犯を起こさないか、更生できるかを考えてもらいたい。
彼女が、きちんと社会復帰できる道筋を考えてもらいたい。
そのための判決であってほしい。
神被告の判決は、今週の金曜28日に言い渡される。