父と娘
読売新聞の「人生案内」は、様々な年代の悩みごとが紹介されていて
今の時代を生きる人たちの人生模様を浮き彫りにしてくれる。
昨日は、50代の主婦からの相談だった。内容を要約すると…
『80代半ばの父には、今まで二世帯住宅を建ててもらったり、
2人の息子たちの面倒を見てもらったり、生活全般にわたって
助けてもらってきました。
時には喧嘩もしたけど、一緒に旅行に行ったり、食事を共にしながら笑い合ったり、
ほとんどが楽しいこと思い出ばかりです。
その父が高齢になって、突然倒れて、病院に運び込まれたりするようなことがあり
そのたびに私は押しつぶされそうになります。今は施設に入ってますが、
父にその時が来たら、私はボロボロになって壊れてしまいそうで…
どうか、今後の心の持ちようを助言して下さい』(東京・O子さん)
さぞ、素敵なお父さんなのでしょう
記事の文面から、父と娘のこまやかな情愛が伝わってきて、心が震えた。
前に、20歳の家出娘のことを書いたが、彼女は物心ついた時には父は家におらず、
「今さら父に会いたいと思わない」と語っていた。
父と娘の関係が疎遠になりがちな今日にあって
まずO子さんは、心から慕うことができる父親がいたことを
幸せに思わなければならないと思う
お父さんが、長きにわたり、そばにいて自分を支えてくれたことを
幸せに思うべきでしょう。
彼女が辛く、悲しいのは、愛情が深いゆえです。
「心から愛する人と生活を共にし、生きていく」
それが、幸せだと私は考えている。
その愛する人がこの世を去ろうとしている。
悲しいのは当然です。
今まで自分を支えてくれた父親に感謝し、
そして、残された時間を、父親のためにできることをしてあげて
悔いを残さないようにすることだと思う。