足音が、畑の肥料になる
朝日新聞の1面に『折々のことば』というコーナーがある。
日本を代表する哲学者の鷲田清一さんが
いろいろな書物やら何やらから「言葉」を選んで
解説を加えてくれて、とてもためになる。
きのうの朝日新聞に掲載されていた言葉は、父の言葉だった。
『足音が、畑の肥料になる』(ある父親)
定年退職して畑いじりをする父親が
仕事に行き詰まり、落ち込んでいる息子にかけた言葉だそうだ。
父は、毎日、作物のことが気になって、足しげく畑に通う。
足を運んでいるうちに、だんだんと作物がしてほしいことが分かってきて
おのずと手入れをするようになる。
そして、それが良い収穫につながる。
息子さんは営業の仕事をしているのだろうか…そこは書いてなかったが
営業先に断られても、めげずに足を運ぶ。
何度も営業先を訪ねているうちに
見えてくるものがある。本当に望んでいることが分かってくる、ということか
電話や、ましてやメールじゃ絶対に分からない。
まさに、足音を立てて歩き回ることが
相手にも、そして自分にも、豊かな実りをもたらすのかもしれない。