山梨の情けない話
山梨市の人口は、およそ3万5000人というから
地方都市というよりも、ちょっと大きな町に近いのかもしれない。
そんな山梨市で前代未聞の不祥事が起きて、大騒ぎになっている。
中学校の校長が、自分の息子を市役所の採用試験に合格させるため
市長に80万円の賄賂を渡して口利きを頼んだのだ。
その校長の息子は2次試験で落ちていたが
そのあと補欠として復活し、市職員として採用が決まった。
一流の教育者たるべき校長が、親バカからか、我が子の裏口就職を依頼する。
そして、市のトップである市長が、お金欲しさに就職をあっ旋する。
まったく情けない話だが、
ただ、ちょっと思うのは、今の50代以上の人たちの世代では
「よくある話」なのかもしれない。
私もアラフィフだが、20代の頃、公立学校の先生の子どもは
自動的に教員になっていたし(もちろん教員試験をパスしないとダメだが…)
公務員の子も、やはり多くが公務員になっていた。
そこに、何らかのコネや口利きがあったとしても
当時は、今ほどの反発や罪悪感がなかったような気がする
もちろん今はダメである。
流行の言葉でいえば「一線を越えている」ということになる。
戦後50年間の日本社会は、そういう意味ではまだまだ未熟なところが
いっぱいあった。
今は民主主義が成熟し、本当の意味での平等・公平が浸透してきている
ということなのだろう。
自戒も含めて、現代を生きるロートルたちは、そのことを肝に銘じなければならない。