歴史は繰り返す?
あの夏、4年後の東京オリンピックが決まり、日本中が歓喜に沸いた。
…と言っても、現代の話ではない。
戦時中の1936年(昭和11年)のことである(きょう朝日新聞・天声人語)
4年後の1940年といえば、その翌年、日本は真珠湾を攻撃しているから
アメリカとの戦争前夜にオリンピックをやろうとしていたことになる。
ところが、開催が決まって五輪マークが街にひるがえる中
政府は開催準備で迷走する。
巨額の建設費を誰が負担するのか?
メイン会場を巡って、東京湾埋め立て案や神宮外苑案などが浮かんでは消えた。
また公募で選ばれた五輪ポスターを巡っても
神武天皇が描かれていたことから「ポスターに天皇を使うとは何ごとか!」と
横やりが入り、立ち消えになったそうだ。
まるで同じではないか!
結局、政府は、激しくなった日中戦争を理由に
オリンピック開催を辞退する。
だが、専門家はこう言う。
「もし日本が大陸から兵を引くことができれば
五輪予算が戦費に圧迫されず、英米のボイコットの声もおさまって
五輪開催の道はあった」と。
もっとも1939年にヨーロッパで第2次世界大戦が勃発してるから
どのみちオリンピック自体が開かれなかっただろうが…